昔作った曲の話「幼い手の先」

昔作った曲の話「幼い手の先」

大学時代の話。 アコギ1本で路上ライブをやっていた。へたくそで容姿も悪いからファンなんてできなかった。需用がないところに投げ続けるボールは、だいたい校庭のすみに転がって腐っていくけれど。 僕は音楽や、その気持ちの吐き出す行為が好きだったので、延々と歌い続けてはボールを腐らせていた。ひたすらオリジナルを作った。ミスチルとかバンプとか19とか歌った。大宮駅とか赤羽駅の前で、わんわんと歌った。 あと「すがる」って意味が大きかったと思う。チビだし、顔は悪いし、バカだし。自分の中のほかのひとより出来るかなあってのがアコギを弾くことだけだった。 それでももちろん上手くもないし、たまーに通行人が足を止める。…