クリストファー・ノーラン監督「オッペンハイマー」を観る ~ 「原爆の父」と言われたアメリカの理論物理学者の栄光と挫折、苦悩と葛藤を描く / 独りを慎しむ ~ 向田邦子のエッセイから
2日(火)。昨日の日経朝刊第1面のコラム「春秋」は1日に社会に出た新入社員のことを書いていますその中で、「この季節は多くの人が『初めて』を経験する。もう一つ思い出すのが作家、向田邦子さんの随筆だ」として、次のように書いています「『独りを慎しむ』という小文に33歳で初めて一人暮らしを始めた時の心境をつづっているある日『急激にお行儀が悪くなっている』自分に気づいてドキンとしたという炒めた食材をフライパンから直接食べる。風呂上がりに下着のまま電話をとる。家族の視線がなくなって居住まいが崩れたことを猛省し、こう記す。『これは、お行儀だけのことではない』『精神の問題だ』『でも、とても恐ろしい』。一歩間違えば自堕落に陥るからだ年齢を重ねるほどに人生から『初めて』は減っていく。それでも、時々はこの言葉を取り出して、我が...クリストファー・ノーラン監督「オッペンハイマー」を観る~「原爆の父」と言われたアメリカの理論物理学者の栄光と挫折、苦悩と葛藤を描く/独りを慎しむ~向田邦子のエッセイから